トルティーヤはメキシコ人にとっての主食ですが、私たちがよく知っているようなあの丸くて薄っぺらいトルティーヤ以外にも、こんなに種類があるの?!という奥深いメキシコのトルティーヤ料理をご紹介します。かなり幅広く集めましたので、これを全部知っている、あるいは食べたことがあるという人はかなりメキシコ通であること間違いなしです!
フラウタス(Flautas)
フラウタはスペイン語でフルートの意味です。その名の通り、見た目がフルートのように細長い形をしています。ゆでて裂いた鶏肉などをトルティーヤで巻いたあと、丸めて揚げたものです。上にはレタス・パネラチーズ(ポロポロとしたフレッシュチーズの一種)・チーズクリームをのせて食べるのが一般的です。
揚げたトルティーヤがパリパリしていてなかなかクセになります。
トスターダ(Tostada)
「トースターされた・焼かれた」という意味をもつトスターダは、パリパリに揚がった・またはオーブンで焼かれた円形のトルティーヤの上に、お肉やシーフード、またアボカド・レタス・チーズクリームなどをのせたものです。トルティーヤが硬く普通のトルティーヤより水分への耐性があるので、水気のあるものでものせられるのが特徴です。
ただ、いかんせんトルティーヤが硬いあまり、おせんべいのように思わぬところで割れてしまったりして少し食べづらく、また上にのっているものの水分がどこにも吸収されず、多量に皿に垂れてきたりしてきれいには食べるのは難しい料理ではあります。
ゴルディータ(Gordita)
「ぽっちゃりした」という意味をもつゴルディータは、少し厚めの丸いトルティーヤをサンドイッチのように間を開いて、中に具を入れたものです。具として特にポピュラーなのが、ジャガイモ、豆、チチャロン(豚の皮を揚げたもの)の3つですが、中にいれるものは何でもありです。メキシコ人はさらに中にサルサをかけて食べます。
小ぶりなサイズですが、トルティーヤ生地に厚みがあるので、一つでも結構お腹に溜まります。
ソぺ(Sope)
ソぺに使われるのは、こちらも少し厚みのあるトルティーヤ生地ですが、今度は中には何も挟まず、タコスのように上に具をのせて食べます。普通のトルティーヤよりももっと小さいサイズで、上にはタコスと同じように鶏肉・豚肉などのお肉にチーズ・レタスなどをのせます。
チラキレス(Chilaquiles)
小さい三角に切って揚げたトルティーヤを敷いたら、それにサルサをかけたものが一番ベーシックなチラキレスです。追加で鶏肉や目玉焼き、豆、アボカドなどの野菜、パネラチーズにチーズクリームをかけることもあります。目玉焼きがのったものは、メキシコのレストンなどで出てくる朝ごはんの定番です。
トルティーヤ自体はパリパリした触感ですが、しっかりサルサソースをかけるので、ソースで柔らかくなって食べやすくなります。
ワラチェ(Huarache)
ワラチェは実は日本語の「わらじ」と同じく(編み上げた)サンダルという意味なのですが、トルティーヤがまさにわらじのように楕円形に長い形をしているためそう呼ばれています。上にのるトッピングは豚肉・牛肉や目玉焼きなどがあり、他にレタスにサワークリームとチーズなどをのせるのが一般的です。トルティーヤの厚みに加え、とにかくサイズが大きいのでかなりお腹いっぱいになります。ただその厚みのおかげで生地がもちもちしていて美味しいです。
トラユダ(Tlayuda)
トラユダはオアハカの伝統的な料理で、大きく薄く伸ばしたトルティーヤの上に豆のペーストを塗り、お肉や野菜などのトッピングを散らした、ピザのようなものです。トルティーヤが非常に薄く軽いので、サイズは手よりも大きいですが意外とペロリと食べられてしまいます。オアハカに行ったら絶対に食べるべき一品です。
トラコヨ(Tlacoyo)
少し小ぶりサイズの楕円形のトルティーヤで、厚みがあり中に豆のペーストやチーズが入っているのがトラコヨと呼ばれます。上にチーズやサワークリーム、ノパル(食用サボテン)、サルサをのせて食べるのが一般的です。トルティーヤ自体に厚みがあるので、小さいですが2個でも十分お腹いっぱいになります。
まとめ
どうしたらこんなに思いつくんだ、と思うくらい本当にたくさんのトルティーヤ料理がメキシコにはあります。結局全部トルティーヤとお肉・野菜なので、どれも似たり寄ったりの味では、と思うような気がしますが、実際は食感も作り方(揚げるのか焼くのか)もそれぞれ異なるので、全く違った印象を受けます。
考えてみると、日本人も主食である米をそのまま食べるだけでなく、おにぎりにしたり餅にしたり、おかゆにしたりはたまたお寿司にしたり、と同じくらい多様な食べ方でお米に親しんでいます。どこの国でも、主食の料理のバラエティは豊かなのかもしれません。
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